いざ,寒行に...と気をもたせたまま日常に流されておりました。もうずいぶん前のことですが..
(行ったのは1月24日でした)
それにしてもまだまだ冷えます。
いまさらながら夏生まれの寒がりな私が、なぜ寒行ができたのかと....。
なぜ寒行。
道場の説明にはこうあります。
「水行は寒さにひるむ弱い心に打ち勝ち、水を被って祈り瞑想することで、短期間で心身共に深く浄化されます。肉体を離れた、より高い次元の意識を覚醒させる効果も期待できます。
寒行は1月の一番寒い時期に行い、水行本来の厳しさがあります。
連日の氷点下で、桶に張った氷を割って被る水の冷たさは、言葉では表現しにくい世界ですが、
その分水行の効果も高く、内なる生命力も活性化し、身も心も生まれ変わったようにリフレッシュされます。」
根府川ヨーガ道場。宿舎の前に見える青いものが水行のための
水が入った大きなポリバケツ。
多分何かが変わる時なのでしょう。この年になって,いろんな意味で迷路にはまり、ドンと背中を押すものが欲しかったのかもしれません。
でも本来の私なら、思いつきもしません。つらいことは避けたい性分です。
薦められた時ふっと、そんな気に。
メールで申し込んだ時、道場からすぐ電話をいただきました。「一般の人に開いていないんですよ。会員でない、年齢制限を超えている、水行さえやったことがない、心臓麻痺ということもあるし、寒行はとってもきついものですよ。」と明らかに,止めようとされている様子。
それでも「まあ、場にエネルギーがあるから来るだけでもよいかもしれませんね.」ということで。
そう、ネットで調べた時「24日~29日寒行のためお休みです」とあったのに、疑問も感じず申し込む私って...
出発まで,自宅の風呂で水をかぶる練習。実は水をかぶるのは苦手です。
駅に迎えにきてくださった道場長の繁本先生は、自然体で静かな物言いの方、ほっとしました。
すでに真っ暗な山道を上がり、まずここで手を清めます。
宿舎の2階が御神前なので入る時は礼をします。
ここは,行場であり神社でもあるようです。ヨーガ断食道場としても人気があるようです。
前日からいらしていた方が,同室。ヨガの先生で、ここで必要なことは彼女が教えてくれました。
経絡体操も瞑想も指導してくれました。ここの寒行は、自分で行をできる方が自由参加されているよう。
5年ほど前から寒行には来ていなかったという彼女が今回、参加されたということは私にとって
幸運でした
部屋にはショウガとおろし金とゴマ入り黒糖。とにかくここにいた間は一日中生姜湯を
のんでいました。このせいか、トイレは普段の倍以上行ってました。
女性は裏山を背にして。手前のバケツが私用。
下に光るのは張っていた氷、昼間も溶けません。
翌朝、日の出は6時50分頃、6時20分頃から始めます。
5時半から2階にある御神前で、のりとをあげてお祓いをしていただきます。
部屋で白い着物の肌着と腰巻きに着替えて待ちます。暖かい部屋の中から薄暗く、いかにも寒そうな外の様子をのぞき観るだけで、怖じてしまう。
先生が裸にふんどし姿で庭に出るのが見えると、それっと、部屋から飛び出します。
初日から私のバケツは氷が張っています。ざぶざぶと両手足から順に上へ。
しばらく祈って、またざぶざぶ。夢中でした。
同室の方と一緒に、もどります。
ふっと,振り返ると奥様の明美先生がいっしんに祈る姿が、とても美しいのにドキっとしました。
いい加減な気持ちでは、いけないと気が引き締まります。
つらくはないのですが,自宅でかぶった時のように後でぽかぽかしてくるということはありません。
食事は明美先生が作ってくださいます。彼女はいつも半袖。
すべて精進です。派手さはないけど全部おいしいのです。野菜は地元で穫れたもの。
レンコンはニンニクで炒めてあります。
二日目の水行が終わったところでお世話になった同室の方は帰られ、ぽつんと一人。帰る間際に
「無理をしてはだめ。あとからダメージがくることもあるから」とクギをさされました。
無理をしている意識はないのだけど。
電話もメールも通じません。久しぶりの読書。食事が愉しみ。
普段は玄米を食べていると、話したら玄米にしてくださいました。豆腐はくずあんかけです。
一日目より3日目の方が,思い切りがいります。
やはり水行は一瞬ですが疲れているようです。
この日は一段と氷が厚い。
水をかぶるだけではなく、祈りと瞑想も重要とのこと。般若心経でも唱えるといいのだろうけど
知らないし、とにかく感謝。私なりに、するしかありません。
鳥の声がとても間近です。水をかぶることより瞑想を中心に。
瀧さんのワークでの瞑想を思い出し、地球の中心とつながって地球ごと水をかぶるイメージを。
よっし、地球ごときれいになって!
道場からは海も見えます。
この日は頭痛がきました。体に力がはいっているんですね。
宿舎の脇に大きな枇杷の木。
本当はだめだけど、無理をいって枇杷葉温圧をさせてもらいました。明日に備えなければ。
頭痛もひいて、明日はもっと思い切っていけそう。
ところが翌朝、お祈りが終わってから、「ちょっとお話が...」
「今年は特に厳しい。連日零下ですから。会員ではない、年齢制限を超えている、体調が万全でない
3つの条件すべてクリアーしていませんから、もうこのあたりで,終わりにしませんか。」
これって寒行をクビになったのね。
でも、これ以上は危なかったのかもしれません。
ご心配かけて申し訳なかったな。3日間でもよく受け入れて下さいました、
そして新城へ,作業の続きをやるため戻っていったのでした。